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説明: |
五苓散(ゴレイサン)という方剤は利尿作用をもつ代表的な方剤です。主薬の“猪苓”を中心に5種類の生薬からできているので、五苓散と呼ばれるようになりました。漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」という古典書で紹介されています。適応証(体質)は、湿証(水分停滞)となります。
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。五苓散には、“猪苓”をはじめ、利尿作用のある生薬がいろいろと配合されています。“桂皮”は軽い発散薬で、頭痛やめまいによいとされます。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
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成分: |
沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、桂皮(ケイヒ) |
効果: |
温陽化気、利湿行水。水分循環を改善し、無駄な水分を取り除きます。具体的には、はき気や嘔吐、下痢、むくみ(浮腫)、めまい、頭痛などに適応します。体質(証)にそれほどこだわらず、口が渇き、尿量が少ないことを目安に広く用いることができます。
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適応: |
様々な浮腫(むくみ)、のどが渇いて尿量が少ないもので、急性胃腸炎、下痢、頭痛、暑気あたり、めまいから吐き気、嘔吐、二日酔いなどの吐き気やむかつきにも用いられます。子どもの下痢、妊婦のむくみなどに使われることもあります。 |
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