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説明:
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最高級の烏龍茶 “鉄観音茶”という名は日本人なら誰でも聞いたことがあると思いますが、この「安渓鉄観音」は、やはり中国でも名高く、西湖龍井茶や碧螺春、黄山毛峰、大紅袍などとともに、十大銘茶の一つとされています。また、数ある青茶(烏龍茶)の中でも、名実ともに最高級のものの一つといっていいでしょう。
鉄観音(てっかんのん、または てつかんのん)は、中国茶のうち青茶(半発酵茶)の一種で、発酵度(酸化)が30%程度で緑茶の新鮮さと、紅茶の豊潤さを併せ持つお茶です。広い意味の烏龍茶の一種である。福建省安渓県で作られる安渓鉄観音が代表的銘柄である。
原料茶葉は、通常は鉄観音種という品種のチャノキから収穫される。鉄観音種は福建省の安渓県で生まれた品種で、現在では台湾など他の地域でも栽培されている。著名な銘柄ではあるが、生産量は烏龍茶全体の5%しかない。半発酵茶の青茶の一種なので、茶葉自身の酸化酵素による発酵をある程度行わせた後、炒って発酵を止め、揉捻と呼ばれる茶葉を揉む工程や焙煎乾燥を経て製造される。強い揉捻によって、茶葉が丸まって、表面は鉄のような、あるいは油を塗ったような光沢を帯びるのが特徴である。
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味は芳醇で濃いが、後味は甘い。香りは甘く清香で、蜜の香りやランやキンモクセイといった花の香り、水蜜桃の香りに例えられる。抽出された茶の色(水色)は、黄金色ないし明るい杏色である。
便秘や冷え症の解消に効果があるとも言われる。20世紀初頭に中国国外の品評会で優勝して、世界的にも人気の銘柄となった。日本では、伊藤園が缶入り清涼飲料水として初めて烏龍茶を発売した際に、ブレンド茶葉の一つとして使用された。これをきっかけに、1980年代には鉄観音の名が日本にも定着した。
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由来: |
1、名前の由来については、諸説ある。観音岩に由来するとの説 乾隆帝の時代に、安渓県の魏蔭という茶農家が、夢の中で観音岩という場所に茶の木が生えているのを見たところ、実際に観音岩で茶の木を見つけたので持ち帰ったのが起源だとする。以後、その農家が挿し木で増やして近所の茶農家に広めたという。 - 2、鉄観石に由来するとの説、福建省の南山というところで、鉄観石の間に生えているのを見つけて持ち帰ったのが起源だとする。ゆえに安渓鉄観音は南岩鉄観音とも呼ばれることになったという。
- 観音菩薩に由来するとの説、観音菩薩から賜った茶の木なので、鉄観音と名付けられたとする。
3、茶葉の外見に由来するとの説、茶葉の見た目が、輝きがあってずっしりとした感じなので、鉄製の観音菩薩像に似ているため命名されたとする。 4、安渓鉄観音、南岩鉄観音とも呼ばれる最も代表的な鉄観音である。福建省の安渓県を中心とした地域で生産されている。そのうちでも最上級銘柄として扱われるものに「正ソウ観音王」(ソウは木偏に叢)がある。安渓鉄観音は年に4回ほど茶葉が収穫できるが、そのうち春茶と秋茶が美味しいとされ、特に春茶は最高と言われる。 |
成分: |
安渓鉄観音茶葉100%。
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効果: |
1、抗老衰効果。
2、抗癌効果。
3、抗動脈硬化効果。
4、糖尿病を予防と治療効果。
5、ダイエット効果。
6、虫歯の予防と治療効果。
7、殺菌、下痢止め効果。
8、清熱降火効果。
9、元気を回復させる効果。
10、酔いを覚ます効果。
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淹れ方: |
@お湯は必ず、沸騰直後のもの(100度)を使ってください。
Aあらかじめ茶器(急須と湯呑)はお沸騰水でよく温めておきます(茶器が冷たいと、お湯を注いだ瞬間に温度が下がってしまい、結果として茶葉が充分に開かず、本来の味が出ません。茶器は必ずお湯で温めておきましょう。そのひと手間で、お茶はぐんとおいしくなります)。
B温まった急須に茶葉を入れます。急須容量400ccとしたときの茶葉量は8〜10gです。大匙スリキリ二杯で約10gになるので目安にしてください。
C茶葉全体が浸る程度に沸騰水を入れ、急須の蓋をしたら、すぐに茶湯を注ぎだして捨てます(茶葉を開きやすくするために、初回の茶湯はすぐに捨てます。これを、茶葉をお湯ですすぐという意味で「洗茶(せんちゃ)」といいます。洗茶は必須ではありませんが、洗茶することで、茶葉の本来の味を最大限に引き出すことができます)。
D蓋をしたままで約15秒〜20秒蒸らしたら、蓋を取ってあらためて沸騰水を急須一杯に注ぎます。
E蓋をして約30秒蒸らしてください。
F湯呑に回し注ぎをして、各湯呑の茶湯の濃さを揃えます。
G1回分の茶葉で、5〜7煎くらいまでおいしく飲めます。二煎目は45秒、三煎目は60秒、四煎目は75秒と+15秒ずつ蒸らし時間を長くしてください。
お茶を美味しく淹れるコツは、沸騰水を用いて蒸らす間も温度を逃がさない、適量の茶葉を使う事です。上記淹れ方で夏場は問題ありません。冬場に、上記過程で急須温度が下がりそうな時は、急須をタオルなどで覆うか、沸騰水を急須の外側からかけて、兎に角温度が下がらないように注意します。急須は通常の磁器せいでも構いませんが、日本製なら「常滑焼」の急須が最適です。
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