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説明: |
アミガサユリの地下茎を採りだして乾燥させたものを貝母(ばいも)と言います。アミガサユリの葉はユリの葉のようで花がアミガサのような形なのでアミガサユリとも云われています。貝母の名の由来はその形がコヤス貝やハマグリに似ているからのようです。貝母は大小二片の鱗片より成り立っていますが母と子が抱き合ったように見えるので母の名を得て貝母と呼ばれるようになりました。
貝母(ばいも)は神農本草経の中品に収載されている。また「川貝母」の名でも知られる。日本産貝母はユリ科のアミガサユリの鱗茎に石灰をまぶして乾燥したもので、奈良県で栽培され「大和貝母」とも称される。中国産貝母の起源は川貝、炉貝、アミガサユリ (浙貝) などの鱗茎。日本に輸入されるものは浙貝が大部分であるが、日本では浙貝と同一基原のものを栽培し生産しており、輸入量は微々たるものである。川貝は上品であるが、産地集荷地および形状などにより、松貝 (四川省松藩) 、炉貝 (四川省昌都) 、青貝 (青海省) 、みん貝 (甘粛省) 、平貝母(長白山)、湖北貝母(湖北省)、伊貝母、真珠貝、黄炉貝、西貝、勃貝などの名称がある。「産地」 中国 (四川、雲南、青海、甘粛、浙江、新疆、陜西、山西、河北、遼遼寧吉林、黒龍江など) 、北朝鮮、日本(奈良、兵庫など) 。
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成分: |
アルカロイドのベルチシン、ベルチシリン、フリチラリン、ペイミノシドなどを含有する。 |
薬理
作用: |
血圧降下作用 (ペイミン、ペイミノシド) 、セロトニン・コリン・ヒスタミンに対する作用、冠血管拡張作用。
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効果: |
鎮咳、去痰(胸苦しさのキツイつまる感じを楽にします)、清熱潤肺、排膿、散結消疽、利尿、鎮痛の作用があります。
一般に川貝は清熱、散結の力が浙貝に劣り、潤肺、去痰、鎮咳の作用が強いとされている。それゆえ同じ咳でも元気のない肺燥の咳嗽には川貝を用い、熱感があって痰のとれにくい咳嗽には浙貝を用いる。 |
適用: |
1.胸苦しさのキツイつまる感じを楽にします。
2.煩熱、喉卑、目眩、咳嗽、口渇などに応用する。
3.熱性の咳嗽に用い、鎮咳去痰をはかります。寒性のものには用いません。(肺の壊疽・急性肺炎・咽喉ジフテリアなどの苦情を取り去ります。処方例:「桔梗白散」。痰が多く、咳嗽がずっと止まらず、時に血痰を出したりあるいは息切れし、体が衰弱している方に用います。処方例:「清肺湯」せいはいとう)
4.気管支炎、肺結核、せき、扁桃腺炎などに良いとされる。
5.るいれき・化膿性の腫れ物のいまだ崩れないものに用い、炎症を鎮め、るいれきを解消します。
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使用: |
1回1-2g、1日1-2回。 |
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